さて、鳥は自分の胃袋が砂利砂利していることに、気がついてしまったのだ。
気がついてしまったら、気になってしまうのが鳥の性。
その砂利を吐き出したり、排泄したりすることができれば、どんなにサッパリするだろう。
鳥は夢想する。けれども、それは出来ない話だ。
コンニャクなんてのを食べてみたらどうだろうか。人間の食べ物だ。
あんまりおいしくないかもしれない。
けれど、飼い主のナナコちゃんに頼んで食べてみたら、ちょっと美味しかったので、鳥はコンニャクが好きになった。
おかげで胃袋の砂利のこともすっかり忘れてしまった。
実際、コンニャクを食べたところで、砂利が排出するわけではない。
忘れるくらいでよかったのだ。
「田楽なんていいよね」
と、鳥は今夜もナナコちゃんに囀る。