超短編
子供の頃に住んでいた町には広場があった。小さな時計台があり、フィドル弾きが鳩や猫を相手に演奏していた。古い郵便ポストがポツンと淋しそうにしていたから、よく手紙を出した。書ける文字は少しだけ。切手も貼っていない。その手紙が60年を経て届いた。孫が喜び、返事を書くんだと張り切っている。
+++++++++++予選通過