懸恋-keren-
超短編
2016年12月7日水曜日
十二月七日 インターホンは痛がっている
インターホンが新しくなった。カメラ付きになり、防犯上も安心である。
ところが、このインターホン、インターホンの癖にボタンを押されると涙を流すのだ。おかげで訪問者の主に右人差し指が濡れてしまう。
チャイムはどうしても「いたーい。いたーい。」と聞こえるし、それはもう悲痛な叫びなのだが、よいこともあった。近所の悪ガキたちによる「ピンポンダッシュ」が一切なくなったのである。
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