2016年4月1日金曜日

四月一日 歯医者へ

歯医者に行ったら、歯の神経を抜くことになった。
「なんとか神経を抜かずに済みませんかね?」と懇願したが、無理なようだった。
「もう神経は死んでいますから、取ってしまわないと大変ですよ」
「本当にもうダメになってるんでしょうか、この歯の神経は」
「ええ、これはもうダメです」
そういって、医者は私の歯茎に麻酔を打ち、施術を始めた。
「こりゃどういうことだ」と医者が呟く。
「ろうひゃひまひたひゃ(どうかしましたか)」
「死んだはずの神経が踊っている、こんなのはみたことがない」
疲れた顔の医者に、「その神経は、死んだふりをしていたんでしょうか、それともゾンビだったんでしょうか」とは聞けなかった。