超短編
キャンドル先生の名講義「行灯と提灯とランタンが『ん』で終わることについて」を暗い部屋で聞きたい。
世界が静寂に包まれるなら、蟻の足音を聞きたい。
夢を見なくなった人類の脳に、古い映画を送信したい。
言の葉が茂る大きな木の下で寝転がり、古の言葉を聞いてみたい。
夢の中で書いた物語と夢中で書いた物語、ベッドで読むとどちらがより眠たくなるか、戦わせたい。
目玉クリップが「挟むものはないか」と無闇にウロウロしているので、よく見える目玉を付けてやりたい。