箱の中には、色とりどりの小さな折り鶴がぎっしり詰まっていた。
一羽摘み出して、手のひらに乗せると、羽ばたき出した。
羽ばたきが上手くなってきたところで、息を吹きかけると、窓の外へ飛んで行った。
箱の中の折り鶴たちもソワソワとし始めたので、一羽ずつ手のひらに乗せ、羽ばたくのを待ち、息を吹きかけ、飛び立たせた。
たくさんの折り鶴が順番待ちしているので、二羽ずつでもいいかと思ったけれど、どうしても一羽ずつでないといけないようだったので、延々と繰り返した。
最後の鶴を見送った頃には、月が出ていた。