超短編
朝日の入る窓に簾を掛けたら、日焼けするからイヤだと簾が拗ねる。
日焼け止めを塗ってもまだ拗ねるので、紐であっちこっち縛ってやった。
老人が書き残した古代の仮名は、「ワ」と「リ」と「イ」だった。
何を謝っているのだろうか、と考えながらの帰り道、四人の知らぬ人に「スミマセン」だの「失礼しました」だの謝られて、
益々持って意味がわからない。あまり謝られてばかりいるのも不安になるものだ。
おもわず「ただいま」というところを「ごめんなさい」と言ってしまった。
十五年ぶりに交換した古いラグマットは空飛ぶ絨毯だったらしい。
切り刻んで処分しようとカッターを持ってきた途端、飛んで逃げてしまった。
あんなに汚いままで大丈夫だろうか。掃除機くらい掛けてやればよかった。
瞬く間に重暗い雲が現れた。雨が振り出さぬうちに帰ろうと、空を見上げながら早足で歩く。
厚い雲の隙間から、傘が見えた。「え?」と思って目を凝らすと、やっぱり傘だった。よく見ればあっちにもこっちにも傘がある。
雲の上の人は、どうやって傘を使うのだろう。そんなことを考えていたら、いつの間にか歩みが遅くなってしまった。
ああ、雨が降ってきた。どんなに目を凝らしても、もう雲間に傘は見えない。
飲むべき薬を飲む日までのカウントダウンが始まった。
相応しい梅雨空。
製作モードに入ると書きたくても言葉が出てこなくなります。
ってなことで、こちらで製作日記を書いています。