ヒゲを失くした猫が「ヒゲ作れ。ヒゲがない。ヒゲがないのは不便だ。ヒゲ作れ」とうるさい。
思案したが猫のヒゲの作り方などわかるわけもなく、ぐずぐずしていたら長ネギが目に入った。
私は丁寧に極細の白髪ネギを作った。
出来上がった白髪ネギを猫に渡すと、器用に頬に付け、満足そうに帰っていった。
2006年9月28日木曜日
2006年9月26日火曜日
Colorful Rabbit
ルバーブのジャムを作った。赤、黄、緑の三色のジャムができる。
三色ジャムを近所のウサギに持っていってやる。
翌日見掛けたウサギは、耳が赤くなっていた。その次の日には尻尾が緑になり、三日目には黄色い前足をしていた。
「ごちそうさまでした。本当においしかった」
とウサギは律義に礼を言いに来た。
「言われなくても、わかるよ」
と言うとウサギは身体を見渡し頬を赤らめた。
三色ジャムを近所のウサギに持っていってやる。
翌日見掛けたウサギは、耳が赤くなっていた。その次の日には尻尾が緑になり、三日目には黄色い前足をしていた。
「ごちそうさまでした。本当においしかった」
とウサギは律義に礼を言いに来た。
「言われなくても、わかるよ」
と言うとウサギは身体を見渡し頬を赤らめた。
2006年9月25日月曜日
2006年9月23日土曜日
2006年9月21日木曜日
Moonshadow Carrot
次の満月の夜、ニンジンが会合を開くという。
いかがわしい集まりかと思ったが「お月見だ」そうだ。
丘の上にはニンジンが巨大な籠に積み上がっている。
満月に照らされてツヤツヤと輝いている。うまそうだ。
気付くとよだれを垂らしているのは私だけではなかった。
すぐ横で馬がうっとりとニンジンの山を見つめている。
いかがわしい集まりかと思ったが「お月見だ」そうだ。
丘の上にはニンジンが巨大な籠に積み上がっている。
満月に照らされてツヤツヤと輝いている。うまそうだ。
気付くとよだれを垂らしているのは私だけではなかった。
すぐ横で馬がうっとりとニンジンの山を見つめている。
2006年9月20日水曜日
2006年9月18日月曜日
2006年9月17日日曜日
2006年9月16日土曜日
2006年9月13日水曜日
赤鉛筆が欲しかったレオナルド・ションヴォリ氏
遥か昔、レオナルド・ションヴォリ氏がまだ子供だった頃、赤鉛筆は郵便配達人しか持っていなかった。
郵便配達人もトマトの収穫時期を消防士に報せる時にしか使わなかったので、赤鉛筆は非常に珍しかった。
ションヴォリ氏は郵便配達人を見掛ける度に捕まえて「赤鉛筆を頂戴」と言ったが、いつも断られていた。
116人目の郵便配達人はションヴォリ氏に問うた。
「きみは、赤鉛筆を何に使うのだ?」
「ほっほーい!イチゴの収穫時期を報せるため」
「よいだろう」
こうしてレオナルド・ションヴォリ氏は赤鉛筆を手に入れた。
郵便配達人もトマトの収穫時期を消防士に報せる時にしか使わなかったので、赤鉛筆は非常に珍しかった。
ションヴォリ氏は郵便配達人を見掛ける度に捕まえて「赤鉛筆を頂戴」と言ったが、いつも断られていた。
116人目の郵便配達人はションヴォリ氏に問うた。
「きみは、赤鉛筆を何に使うのだ?」
「ほっほーい!イチゴの収穫時期を報せるため」
「よいだろう」
こうしてレオナルド・ションヴォリ氏は赤鉛筆を手に入れた。
2006年9月12日火曜日
雪だるまの天敵、レオナルド・ションヴォリ氏
昔むかし、レオナルド・ションヴォリ氏が初老だったころ、冷蔵庫は雪だるまの夏の家だった。
暑がりのションヴォリ氏はしょっちゅう雪だるまの家に押しかけるので、迷惑がられた。
なにしろ汗をかきかき狭い冷蔵庫に入ってくるレオナルド・ションヴォリ氏のおかげで、さすがの冷蔵庫の温度も上がり、雪だるまは命の危険を感じていたのである。
半分くらいに身体が縮んだ雪だるまに構わず、レオナルド・ションヴォリ氏は冷蔵庫の中で熱いココアを飲むのが大好きだった。
暑がりのションヴォリ氏はしょっちゅう雪だるまの家に押しかけるので、迷惑がられた。
なにしろ汗をかきかき狭い冷蔵庫に入ってくるレオナルド・ションヴォリ氏のおかげで、さすがの冷蔵庫の温度も上がり、雪だるまは命の危険を感じていたのである。
半分くらいに身体が縮んだ雪だるまに構わず、レオナルド・ションヴォリ氏は冷蔵庫の中で熱いココアを飲むのが大好きだった。
2006年9月11日月曜日
ゾウを鼻で使うレオナルド・ションヴォリ氏
遥か昔レオナルド・ションヴォリ氏がまだ子供だったころ、ゾウの鼻はまだそんなに長くはなかった。長くても、せいぜいで顎の辺りまでであった。
ゾウと遊ぶ時、ションヴォリ氏その少し長めの鼻を引っ張り、連れて歩いた。
ゾウがどれだけ嫌がり踏ん張ってもションヴォリ氏は構わず引っ張る。
ゾウが世代を重ねるごとに鼻は長くなっていく。
ゾウの鼻について、レオナルド・ションヴォリ氏は「ずいぶん持ちやすくなったな」くらいにしか思っていない。
ゾウと遊ぶ時、ションヴォリ氏その少し長めの鼻を引っ張り、連れて歩いた。
ゾウがどれだけ嫌がり踏ん張ってもションヴォリ氏は構わず引っ張る。
ゾウが世代を重ねるごとに鼻は長くなっていく。
ゾウの鼻について、レオナルド・ションヴォリ氏は「ずいぶん持ちやすくなったな」くらいにしか思っていない。
2006年9月9日土曜日
遠い世界を覗いたレオナルド・ションヴォリ氏
遥か昔、レオナルド・ションヴォリ氏が思春期だったころ、ションヴォリ氏は望遠鏡が欲しかった。
望遠鏡を覗くと、望みの遠い世界を見ることができると言われた。
レオナルド・ションヴォリ氏と言えども、若い時分には遠くの世界への憧れがあったのだ。
ある日、偶然望遠鏡を手にした彼は早速それを覗いた。
その中には、今と変わらぬ部屋の中で、ヨボヨボで元気のありあまった老人がいた。
それが遠すぎる未来世界の自分だと、ションヴォリ氏は知らない。
望遠鏡を覗くと、望みの遠い世界を見ることができると言われた。
レオナルド・ションヴォリ氏と言えども、若い時分には遠くの世界への憧れがあったのだ。
ある日、偶然望遠鏡を手にした彼は早速それを覗いた。
その中には、今と変わらぬ部屋の中で、ヨボヨボで元気のありあまった老人がいた。
それが遠すぎる未来世界の自分だと、ションヴォリ氏は知らない。
2006年9月7日木曜日
スフィンクスを困らせるレオナルド・ションヴォリ氏
遥か昔レオナルド・ションヴォリ氏がまだ子供だったころ、スフィンクスは世界旅行の最中だった。
ションヴォリ氏はスフィンクスに「ニッポリ」に行く道を聞かれたが、わからなかったので、家に招きお茶を出し、四時間も喋った。
レオナルド・ションヴォリ氏は未だに「ニッポリ」へ行ったことがない。
ションヴォリ氏はスフィンクスに「ニッポリ」に行く道を聞かれたが、わからなかったので、家に招きお茶を出し、四時間も喋った。
レオナルド・ションヴォリ氏は未だに「ニッポリ」へ行ったことがない。
2006年9月6日水曜日
毒が通じないレオナルド・ションヴォリ氏
昔むかし、レオナルド・ションヴォリ氏がまだ初老だった頃、傘はコウモリの物だった。
雨が降ると人々はコウモリに頼んで傘に入れてもらわなければならなかった。
傘には蛇の目玉が欠かせないので、入れて貰ったお礼に蛇の目玉をコウモリに贈るのがマナーとされていた。
レオナルド・ションヴォリ氏がコウモリに贈る蛇の目玉は毒蛇のものばかりで、コウモリたちは大層喜んだ。
雨が降ると人々はコウモリに頼んで傘に入れてもらわなければならなかった。
傘には蛇の目玉が欠かせないので、入れて貰ったお礼に蛇の目玉をコウモリに贈るのがマナーとされていた。
レオナルド・ションヴォリ氏がコウモリに贈る蛇の目玉は毒蛇のものばかりで、コウモリたちは大層喜んだ。
2006年9月4日月曜日
ビスケットをたくさん食べたいレオナルド・ションヴォリ氏
昔むかし、レオナルド・ションヴォリ氏がまだ初老だった頃、ビスケットはポケットを叩いて作っていた。
初老のションヴォリ氏は、ビスケットをたくさん作ろうと、12個のポケットが付いた青色のスーツを作って大喜びしていたが
二つしかない手で12個もポケットは叩けないことに気付いた。
そこで近所の子供たちに頼んでビスケットを作ることにした。
大変素晴らしい思いつきだと喜んだのもつかの間、身体中が青あざだらけになった。
それ以来レオナルド・ションヴォリ氏はその12個のポケットが付いた青いスーツは着ていない。
初老のションヴォリ氏は、ビスケットをたくさん作ろうと、12個のポケットが付いた青色のスーツを作って大喜びしていたが
二つしかない手で12個もポケットは叩けないことに気付いた。
そこで近所の子供たちに頼んでビスケットを作ることにした。
大変素晴らしい思いつきだと喜んだのもつかの間、身体中が青あざだらけになった。
それ以来レオナルド・ションヴォリ氏はその12個のポケットが付いた青いスーツは着ていない。
2006年9月3日日曜日
月を食べるレオナルド・ションヴォリ氏
遥か昔、レオナルド・ションヴォリ氏がまだ子供だった頃、月はチーズで出来ていた。
どうしても月を食べてみたかったションヴォリ氏は、ネズミの羅文と四文に頼んで採って来てもらうことにした。
二匹のネズミが採ってきた月は小指の爪ほどしかなかったが、
それを食べたせいでションヴォリ氏と二匹のネズミが、とんでもなく長寿になってしまったことを、レオナルド・ションヴォリ氏はご存じない。
どうしても月を食べてみたかったションヴォリ氏は、ネズミの羅文と四文に頼んで採って来てもらうことにした。
二匹のネズミが採ってきた月は小指の爪ほどしかなかったが、
それを食べたせいでションヴォリ氏と二匹のネズミが、とんでもなく長寿になってしまったことを、レオナルド・ションヴォリ氏はご存じない。
2006年9月2日土曜日
スズムシに鈴をやるレオナルド・ションヴォリ氏
遥か昔、レオナルド・ションヴォリ氏がまだ子供だったころ、スズムシは鳴くことができなかった。
スズムシに鈴を背負わせることは、子供の仕事だった。
ションヴォリ氏はスズムシを整列させて、一匹ずつ鈴を渡した。
「1539726…1539727…」
レオナルド・ションヴォリ氏が数を数えずにはいられないのは、スズムシと鈴のせいである。
スズムシに鈴を背負わせることは、子供の仕事だった。
ションヴォリ氏はスズムシを整列させて、一匹ずつ鈴を渡した。
「1539726…1539727…」
レオナルド・ションヴォリ氏が数を数えずにはいられないのは、スズムシと鈴のせいである。
2006年9月1日金曜日
空を泳ぐヒツジを捕まえるレオナルド・ションヴォリ氏
昔むかし、レオナルド・ションヴォリ氏がまだ初老だった頃、空に浮かぶ雲はヒツジだった。
人々は秋になると、空を泳ぐヒツジ雲を捕まえ
その毛でセーターを編み、影は羊羹にして冬に備えた。
初老のレオナルド・ションヴォリ氏は、目敏く色付きのヒツジ雲を捕まえて緑や赤や青のセーターと緑や赤や青の羊羹をこしらえた。
人々は秋になると、空を泳ぐヒツジ雲を捕まえ
その毛でセーターを編み、影は羊羹にして冬に備えた。
初老のレオナルド・ションヴォリ氏は、目敏く色付きのヒツジ雲を捕まえて緑や赤や青のセーターと緑や赤や青の羊羹をこしらえた。