おいらは由緒正しい泥棒の家の生まれでござんす。
親父もそのまた親父もコソドロでござんした。
忘れもしない、三年前のお月さんの綺麗な晩でござんした。
おいらは親分の家にコソドロしに行ったんでござんす。
ほんの一万ポンドル札を頂こうと。エエ。
親分の財布は膨らむほど金が入ってござんした。
おいらは悩みました。
「もう一枚、盗んでいこうか」と。
その様子を親分は全部ご覧になっていたんでござんす。
親分は「気の小さい泥棒である。財布ごと持っていけばよいものを」と言いやした。
おいらは言い返すことができやせんでした。
「せっかくだから一杯やろうではないか」
おいらと親分は意気投合して、飲み明かしやした。
親分は泥棒に興味があるようでござんした。
「おいらが泥棒のイロハを教えましょか」と言うと
親分は頭を深々と下げて「お願いする」と言ってござんした。
これがおいらと親分の運命の出会いでござんす。
2004年5月30日日曜日
ダイヤを手に入れろ!! 後編
「あった、これである。2222年度ダイヤ改訂表」
「……やりやしたな、親分」
「さっそくメッセージを」
さらさらさらのさらり
翌朝。
「駅長、三太と中井が来たらしいですよ」
「なになに?『ダイヤはたしかに頂戴した。ついては2222年2月22日午後2時22分発の特急ニシキ、二号車に-2席の切符の便宜を図られたし。大泥棒サンタとナカイ』だとさ。ちゃんと代金が入ってるぞ」
「……やりやしたな、親分」
「さっそくメッセージを」
さらさらさらのさらり
翌朝。
「駅長、三太と中井が来たらしいですよ」
「なになに?『ダイヤはたしかに頂戴した。ついては2222年2月22日午後2時22分発の特急ニシキ、二号車に-2席の切符の便宜を図られたし。大泥棒サンタとナカイ』だとさ。ちゃんと代金が入ってるぞ」
2004年5月29日土曜日
ダイヤを手に入れろ! 前編
「三太、拙者はどうしても手に入れたいものがある」
「当ててご覧にいれやしょう。……ダイヤ。やっぱり大泥棒を名乗る者としてはダイヤは外せねえ」
「その通りである。計画はすでに綿密に立ててある」
「さすが親分」
「ダイヤをいち早く手に入れれば、アレをとるのも可能である」
「ダイヤの他にも何か盗るんでござんすか」
「見ていればわかる」
午前一時、三太と中井は駅に向かった。もちろん唐草スカーフは忘れない。
「親分、駅に来てどうするんでございやすか」
「駅でいただくのが確実だからである」
「ダイヤと言ったら金持ちか宝石店と相場が決まっているでござんしょ」
「当ててご覧にいれやしょう。……ダイヤ。やっぱり大泥棒を名乗る者としてはダイヤは外せねえ」
「その通りである。計画はすでに綿密に立ててある」
「さすが親分」
「ダイヤをいち早く手に入れれば、アレをとるのも可能である」
「ダイヤの他にも何か盗るんでござんすか」
「見ていればわかる」
午前一時、三太と中井は駅に向かった。もちろん唐草スカーフは忘れない。
「親分、駅に来てどうするんでございやすか」
「駅でいただくのが確実だからである」
「ダイヤと言ったら金持ちか宝石店と相場が決まっているでござんしょ」
2004年5月28日金曜日
狙うは大邸宅! 後編
「へい、親分。・・・まいごのまいごのこねこちゃん♪」
「おい三太」
「へい」
「他の歌はないのか」
「おいらはこの歌のほかは子守歌しか知りませんで」
「ならよい。拙者も歌おう」
わんわんわわーん わんわんわわーん
「枯れ葉、全部盗っちまいやしたね」
「では、メッセージを残しておこう」
さらさらさらのさらり
翌日驚いたのはお手伝いさん。
「奥様!ご覧になってくださいませ。お庭が」
「まぁ。ずいぶん綺麗になったこと。一体どなたが?」
「置き手紙がありますわ、奥様」
「枯れ葉はすべて頂戴した。ついては午前11時から焼き芋の宴を催す。是非参られたし 大泥棒サンタとナカイ」
「ぜひ参りましょう。おきぬ、あなたも支度して。昨日届いたさつまいもを持っていきましょう」
「おい三太」
「へい」
「他の歌はないのか」
「おいらはこの歌のほかは子守歌しか知りませんで」
「ならよい。拙者も歌おう」
わんわんわわーん わんわんわわーん
「枯れ葉、全部盗っちまいやしたね」
「では、メッセージを残しておこう」
さらさらさらのさらり
翌日驚いたのはお手伝いさん。
「奥様!ご覧になってくださいませ。お庭が」
「まぁ。ずいぶん綺麗になったこと。一体どなたが?」
「置き手紙がありますわ、奥様」
「枯れ葉はすべて頂戴した。ついては午前11時から焼き芋の宴を催す。是非参られたし 大泥棒サンタとナカイ」
「ぜひ参りましょう。おきぬ、あなたも支度して。昨日届いたさつまいもを持っていきましょう」
2004年5月27日木曜日
狙うは大邸宅! 前編
三太と中井は大泥棒を名乗っている。
スーツ姿に地下足袋を履き、唐草模様のシルクスカーフを頭にかぶって、あっちさんやらこっちさんやらの家に入る。
今夜の狙いは大邸宅。広い庭つきのお屋敷に、おばあさんと忠義なお手伝いさんだけが住んでいる。
「失敬する」
「おじゃまでござんす」
三太と中井は礼儀正しいので挨拶をして家に入る。
もちろん小声でだけれども。
「さて、今日は何を頂戴いたすでこざんすか。中井の親分」
「そうだな・・・枯れ葉だ」
「承知いたしやした」
ガサガサガサガサガサガサ
「おい三太」
「へい親分」
「盗みは静かにやらねばならぬ、と教えたのはおまえではないか」
「でも親分、枯れ葉は音が出るでござんす」
「左様か。ならば枯れ葉の音を隠すために歌を歌いたまえ」
スーツ姿に地下足袋を履き、唐草模様のシルクスカーフを頭にかぶって、あっちさんやらこっちさんやらの家に入る。
今夜の狙いは大邸宅。広い庭つきのお屋敷に、おばあさんと忠義なお手伝いさんだけが住んでいる。
「失敬する」
「おじゃまでござんす」
三太と中井は礼儀正しいので挨拶をして家に入る。
もちろん小声でだけれども。
「さて、今日は何を頂戴いたすでこざんすか。中井の親分」
「そうだな・・・枯れ葉だ」
「承知いたしやした」
ガサガサガサガサガサガサ
「おい三太」
「へい親分」
「盗みは静かにやらねばならぬ、と教えたのはおまえではないか」
「でも親分、枯れ葉は音が出るでござんす」
「左様か。ならば枯れ葉の音を隠すために歌を歌いたまえ」